歌ってなんだろう?歌が上手いってなんだろう?と真剣に考えてみました

  • 2023-10-16
  • 2023-10-17
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歌をガチで練習し始めて20年以上が経ちました。

しかしここ数カ月で一気に歌に対する考え方が変わり、私なりの結論が出たのでそれをここに書き留めておきたいと思います。

1.「歌が上手いと思われたい!」と思って歌うとソレがそのまま伝わる

私が20年以上気が付かなかったことです。

上手いと思われたいと歌いながら歌うと相手にそのまま伝わります。
それはそういう歌い方になるからです。

やたらビブラートをかけるとか、高い声の曲ばかり選曲するとか。以前よくやっていました。
スキルを組み込めるだけ組み込んだ歌唱法、比較的難易度の高い曲を歌う。その方が賞賛されやすいと思っていたからです。

これはこれで得るものはあったので悪いことだとは思いません。賞賛されたいという気持ちを持つことは成長することに必要だからです。
問題だったのは「歌う時に邪念があるとそれがそのまま聴き手に伝わってしまう」ということを知らなかったことです。

歌は感情表現方法の一つ。である以上は歌を通じて感情が伝わるメカニズムを知っておく必要があります。
それが決定的に過去の私に欠けていたのです。

「上手いって言われたい!」とか「モテたい!」とか思いながら歌っていると驚くほどにそういう歌い方になります。

以前私は母親に実家にて歌を披露しました。その際に母親から言われた言葉は

「あんた自分に酔ってるみたい」

でした。もちろん褒められたところもありますが私にはこの言葉だけが強烈に残りました。
しかし今では正直にこの言葉を私に伝えてくれたことを感謝しています。

ハッキリ言って当時の私は有頂天だったと思います。

どこで歌っても「上手いね!」と言われました。そしてその経験が私に「もっと上手いと言われたい!」と思わせたのでしょう。
もちろんそれ自体が悪いとは思いません。おかげで練習にも力が入りました。

でもずっと「自分のためだけ」に歌ってしまったことが、私を望まない方向に進めたのだと思います。

2.歌を通じて何を伝えたいのかが明確でなかった20余年間

「ただ楽しいから歌っています」

ボイストレーナーの先生からの質問に対して、私は必ずこう返していました。

「プロになりたくはないの??」

これは先生以外にも色々な方から言われた言葉です。これに対して私は

「もちろん歌ってお金がもらえるなら最高ですが、歌えればそれでいいのでプロになる必要性は感じていません」

と答えていました。

嘘偽りのない純度100%の言葉です。
これ自体は今も特に変わっていません。ここに最近導き出した答えを加えた。そんな感じです。

そしてその答えとは「歌を通じて人の心をプラスに動かしたい」でした。

私の歌を聞いて楽しんでくれたり、泣いてくれたり、笑ってくれたり・・・なんでもいいです。とにかく感情をプラスにしたいと思いました。

この考え方になったのは路上で歌う経験が大きかったと思います。

カラオケだと身内の方や知り合いの方々と行くので比較的「上手いね!」と言われやすいです。これには議論の余地はないと思っています。
当然ですが私自身これは感じていたし知っていました。本気で褒めてくれる方もいるでしょうが真面目に歌っていたら「とりあえず褒めないと気まずいな・・・」となりがちだからです。特に私のようなガチな歌い方をされれば褒めざるを得ないと思う方だって大勢いたでしょう。

それが分かっていたからこそ、最近ではカラオケで褒められてもそんなに心が動かなくなってしまっていました。本気で褒めて下さった方々には申し訳ないと思います。

友人の恋人を見せられたら「おおー可愛いね~」とか「かっこいいじゃん!」とかとりあえず言ってしまうでしょう。そんな感じ。
若干の疑心暗鬼にもなっていたのかもしれません。

しかし路上で歌うとそんなことは全くありませんでした。

そもそも勝手に外で歌っているんだから聞いてあげたり「上手いね!」なんて言ってあげたりする義理はありません。
別にふつうにスルーすればいいのです。

路上ライブを始めたきっかけは「褒められたいから」ではなく「人前で歌える度胸が欲しかったから」ですが、上に書いたことは嫌でも痛感することとなりました。

誰も聞いてくれないし、誰からも何も言われない。

そんな状態が当たり前でした。

身内のカラオケではない。リアルな現実を突きつけられたような。そんな感じでした。

正直心の底では「もっと賞賛されると思ってたのに・・・」と考えている自分がいました。

「あれ・・・?」

こんな気持ちに何度なったか。

賞賛されない理由などいろいろあるでしょう。
ビジュアル、歌唱力、ユニークさ・・・挙げればいくらでもあると思います。

私に何が足りないのだろう・・・そんなことを本気で考えるきっかけとなったのが路上ライブでした。

「自己満にだけはしたくない」

路上ライブを始めた瞬間からこれだけは考えていました。いわゆる「一人カラオケ」にならないようにだけは注意していました。
でもそれがどのくらい伝わっていたかは分かりません。

もちろんまれに立ち止まってくれる方や「上手いですね!」と言われることはありました。その時はすごく嬉しかったです。それはもちろん。

でも一番嬉しかったのは「元気を貰いました」でした。これはちなみにすごく最近言われたことです。9月10日の路上ライブです。
「ひまわりの約束」という秦基博さんの曲を歌った時に言われました。

私はこの言葉を言われた時に「あなたは外で歌っても良い」と言われたような気がしました。
そして私自身の目標である「聴いている人たちの感情をプラスにしたい」が達成された瞬間でした。

3.歌唱力を見せたいワケではないが歌唱力は絶対的に必要だと痛感する

矛盾しているようですがこれは本当です。数々のボイストレーナーさんも仰っていました。

私は声が大きすぎるとよく言われました。特に直近では兄からめちゃくちゃに言われました。
最初は「うるせーな~」くらいに思っていましたが、彼が言っていたことの意味がやっと分かりました。

歌詞の意味を考えるなら絶対その声量にはならない、というところもその声量で歌っていました。
あと「全体的に同じような声だね!」もよく言われました。それもいろんな方から。

マジなことを言うと「上手いから僻んでるんだろうな」と本気で思っていました。
しかしそうではなかったと自分の歌を何度も何度も繰り返し聴くことで確信しました。

そしてそうなっていた大きな要因も分かりました。

歌詞の意味をまったく考えていない。

もともと私は歌はメロディ重視でメロディが好きな曲を好んでただ歌うというスタイルでした。よって歌詞の内容などまるで考慮したことがありません。

しかし歌詞をよく読んでその登場人物になりきって歌うようにしてみると歌い方がガラリと変わりました。
さらに自然と「同じような声」にはならなくなりました(個人談)

以前、実家で母に披露した際に「歌詞読んでないでしょ?」と一発でバレました。

「なぜ分かるんだ??」と当時はハテナでしたが今ならよく理由が分かります。

その歌詞の意味を考えるならありえない歌い方をしていたからです。

それに気が付いてからは歌詞を一つずつ受け止めて自分なりに解釈してからアウトプットするようにしています。
おかげでずいぶん以前とは違う歌い方になったと確信しています。そして今の歌い方のほうが圧倒的に大好きです。

さらにその歌い方をする中で面白い発見がありました。

「上手い」と思われなくて良いと思っているその歌い方は実は圧倒的に歌唱スキルが必要だったのです。

「語っているように歌いたいな」と思って始めたのですが、語っているように歌う為には今までよりさらに複雑で高等な技術を会得する必要がありました。
だから基礎呼吸や基礎発声などの基本も今まで通り継続しています。

なんか笑えました。見せるつもりはないものを練習していくなんて今までの私にはまったくなかった感覚だからです。

食べている相手は気付かないけど、その調味料を買い揃えていくような、入れていくような・・・そんな感覚です。
複雑ですが必要だと確信したためそうしました。

これからもそれはずっと継続していくつもりです。

4.カッコ付けることのカッコ悪さ。カッコ付けないことのカッコ良さを知る

これは何も歌に限ったことではないのですが「カッコ付けると逆にカッコ悪い。カッコ付けずに自然に振舞っていることがカッコ良い」と最近身に染みて痛感しています。

普段の生活でも感じることは多いです。
カッコいいと思ってやっていることが実は魅力を下げるだけだったとかよくあると思います。

私個人の主観ですが、この傾向は男性の方が圧倒的に多いように感じます。

好きだからやっているのなら全然何も思わないのですが、カッコいいと思われたくてやっているのが目に見えて分かってしまうような感じ。
それが伝わってしまった瞬間に人は「ダサい」と感じるのでしょう。今まで何度もあったし自分もやっていました。

大きく見せたり、威嚇したり強そうに見せるのがダサいと徐々に感じるようになったのは高校を卒業する前くらいだったと思います。
それが本当に確信に変わったのは30を過ぎた頃だったでしょうか。

カッコ付けるワケでもなく、卑下や謙遜をするワケでもない。
そんなフラットでナチュラルな姿が一番カッコいいと気が付きました。

そしてそのことが歌、というかすべてのことに共通する考えだったと気が付いたのはつい最近であり、正直「めっちゃ時間掛ったな・・・」と思います。

自分の魅力をプラスにすると勘違いして付け加えていた「ダサい要素」を取り除く作業は今も続いております。

5.積み重ね

10/1~18

歌:4.5

イラスト:5

筋トレ:1

ブログ:1.25


今回は歌についていろいろ書きました。

もちろんコレが必ずしも正解とは言いませんし思いません。芸術的なものに正解を出すこと自体が不可能だと思うからです。

しかし「信念を持って取り組んでいる」というのが大切だと感じます。

ただなんとなーく歌っているだけでは伝わるのはせいぜい「ある程度歌の上手い人」くらいのものでしょう。

私なりの考えを持ったうえで。これからも日々取り組んでいきたいなと思います。

【積み重ね 2022年12月30日〜】前日までの合計+本日の積み重ね時間=累計(h)

筋トレ・運動:97+1=98

イラスト・マンガ:540+5=545
歌、声優:238+4.5=242.5
ブログ:117.75+1.25=119
YouTube、SNS:181
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